造作家具づくり
洗面室とつながった造作バスルーム

 

浴室は家づくりの悩みどころ
住む人、暮らし方に合わせてすみずみまでデザインして、素材とつくりを吟味して、一棟一棟ていねいに建てる家づくり。そんな家づくりを目指しても、浴室にはユニットバスを使うことが多いのが今の家づくりの現状です。ユニットバスは、機能的で、コストもこなれていて、何が悪いというわけではありません。それでも、手刻みで建てる木の家の中で、 浴室だけは出来合いの空間であることや、耐用年数が過ぎれば修理せずに廃棄・取り替えをすることにどこか釈然としない思いが残ります。


そこで、大工の家では浴室を造作でつくりました。タイルと木の味わいが楽しめる浴室は、洗面室と一体になった2坪の空間。扉も造作で、両面開き戸にすることで開放的な空間になり、室内干しをするときはひとつながりの空間をフル活用できます。また、浴室内の換気がしやすく、冬場は浴室内の湿気を室内側に開放することで過乾燥をやわらげることもできます。
掃除がしやすい 使いやすい 気持ちいい
木とタイルの浴室はお手入れが大変、と思われがちです。この造作バスルームで第一に考えたことは、掃除のしやすさです。凸凹がないシンプルな空間にシンプルな水栓を取り付けて、床がすべてタイルで洗面室と浴室の境目もシンプルで、ささっと洗ってささっと流せる、そんな使いやすさがそなわっています。


洗面室には洗濯機とこぶりなワゴンを置くだけ。フルフラットなタイルの床は、掃除機かけも拭き掃除もらくに行えます。タイルや木の気持ちよさだけなく、掃除がしやすく清潔さが保ちやすいから、いつも気持ちよく入浴、洗面、洗濯を行うことができます。


コストも、ユニットバスに比べて奢ったものにならないよう計画しています。「大工の家」を見学の際は、すでに数年間、毎日使っている造作の洗面浴室も、どうぞご覧ください。